Fate/extra last encore  感想

アニメ「Fate/extra last encore」 を全話見ました。

先日extraとextra cccをプレイし終わりメチャクチャに楽しかったので、そしてロスに陥ったので、この機にlast encoreも見ておこう!と思った次第です。

 

実は放映当時、fgoの知識しかないときに一度見ていたのですが、何が何やらさっぱりわからず途中で視聴をやめてしまっていました。
そのためハクノがNPCかつ死人であることはふわっと知ってる!という状況でした。

 

それでは、感想を綴っていきたいと思います。

ネタバレのオンパレードなので、ご注意ください。

 

 

 


最下層 / 序盤〜予選

女主いきなり死んどるがな。
ゲームは二作とも女主、一週目アーチャーのcccのみ二周目ギルガメッシュだったので、自分の分身のような女主がいきなり血みどろで一瞬怯みました。


予選の終わり、ハクノが灰色のアーチャーもどきに追いかけられるところで少し泣きました。私のアーチャーがこんな変わり果てた姿に…ここの部分、何故アーチャーが敵性エネミーのようになっていたのか最後まで見てもわからなかったので、ご存知の方は教えていただけると嬉しいです。

 

ネロちゃんプレイできてなかったけどかわいいな〜〜!男主と赤セイバーはやはり王道なんですね。

 

 

 

一層目 / ライダー戦

stay nightやextraのシンジはかなりみっともないというか、見栄張りの自信過剰、そして呆気ない脱落という傾向があったと思うのです。今作もやはり、予選などでその要素はありましたが、格段に成長しているように感じました。
ゲームチャンプとしての意地と、千年という時間が彼を変えたのでしょうか?

 

「生きてさえいれば状況は打開できる」と街を維持し続けた彼は、とても素敵だったと思います。
弱いものに優しいあの街は、決して英雄でも救世主でもない等身大の人間であるシンジだからこそできたことなんだろうな、と思い胸が熱くなりました。

ライダーの宝具詠唱2パターンとも聞けて嬉しかった〜〜やはりめちゃめちゃかっこいいですね。

「ライダーは負けてない」と最後に意地を張るところが、とてもシンジらしくて好きでした。

 

 

 

二層目 / アーチャー戦

本来の時間軸では、正々堂々戦うことをサーヴァントに課していたあのダン・ブラックモアが、不意打ちのような射撃による敵の殲滅を行なっていた。
騎士の矜持を捨ててさえも勝利を求め、にも関わらずムーンセルからの勝者認定はされない。それをわかって尚千年もの間諦めずにいたのは、それほどの願いがあったからなのだろうと思いました。


また、本来の時間軸では卑怯な手を使おうとするアーチャーをダンが諌める形でした。
その崇高な精神に救われたアーチャーが今作ではマスターのために足掻くというのが、膨大な時間の経過と、それによって擦り切れたダンの精神、マスターが変わっても尚変わらないアーチャーの忠誠心という形で伝わってきて、とてもしんどかったです。

「俺にできるのは、負けねえことくらいなんだよ」というアーチャーの台詞に、もっと自分が強ければ、真っ向勝負で勝つことができる騎士だったのなら、といった自虐が滲んでいる気がしました。

 

本来の時間軸、女主とのシーンが挿入されていることで、擦り切れた今との対比が生まれていて、その点も非常にしんどかったです。

イチイの樹の下で、どうか安らかに眠ってください。

 

 

 


三層目 / キャスター戦

マックスオブしんどい。
extraでは、ありすとキャスターはあまり印象に残らなかったんです実は。病気で早くに死んでしまってかわいそうだなあくらいの印象でした。

 

でもこれ…ええ〜〜…ありすは病気じゃないんですね…?瀕死のところを実験台にされた末に死んでしまったと…(この設定extra時点で出てました?私が飛ばしちゃったのかな)

この点を知るとめちゃくちゃに辛いのです。
本を読み聞かせてほしい、かくれんぼがしたい、おいしいクッキーと紅茶を食べたい。
そんな、子供として当たり前のことを望む彼女は見ていて痛々しい。彼女自身は自分を不幸なのだと自覚できていないところがさらに。

 

そして、本物のありすはもう亡くなっていて、アリスがありすのふりをしていた…どこまで救いがないのだ?
extraシリーズ通してこんなにも救いのないペアいますか?本当にめちゃくちゃにしんどいな…子供が可哀想なのは、辛くなってしまいます。

 

余談ですがサーヴァントが化け物になっていたアレ、シャフトということもあり、まど◯ギのアレを彷彿とさせて嫌な予感が止まりませんでした。

 

 


四層目 / ???戦

飛ばされたー?!何故?!と思ったら、ここはリンルートかラニルートか、どちらを選ぶかによって対戦相手が変わる枠だったからなんですね。
extraではリンルートを選んだのでランルーくんとランサーと戦いました。ランルーくんの掘り下げが欲しかった気持ちもありますが、気が狂っている設定だしあれ以上は無理な気もしますね。

六回戦でリンを救うのだから、割り切ってリンルート扱いしても良かったのでは?とも思います。尺的な問題もあるのでしょうか。

 

 


五層目 / バーサーカー(アサシン)戦

extraでも、李書文先生の二戦目はバーサーカーになっていました…よね?
本来の理を捻じ曲げたことにより霊基に異常が出たとかいう理由でしょうか?

ユリウスの髪形が見慣れない感じでドキドキしました。オールバック!!!顔がいいな〜。
ユリウスはcccの印象が強いので、敵意剥き出しにされると怯んでしまいます。
彼の当たりの強さから察するに、二戦目を終えておらず、ザビを友人と認める前なのでしょうか…?戦うのは三度目、のようなことを言っていた気もしますが。

 

ここはネロの宝具が格好良かったですね。李書文先生狂化してて話さないのが寂しいところでした。

extra二戦目、アリーナで出会った時のユリウスの状態に、ザビは近いのだろうなと思いました。お互いにデッドフェイスになって再開するの、なかなか皮肉な話ですね。

 

視聴覚室のシーンで女主が喋って感無量でした。凛とした綺麗な声…。本来の時間軸の女主とネロ、女主と桜の様子を見てシンプルに泣きました。

私たちプレイヤーがサーヴァントと駆け抜けた一周目は、確かに存在するんですね。

 

 

 

六層目 / ???戦

リンとラニ。ランサーとバーサーカーを模した格好をした2人が格好良くて、ついテンションが上がりました。
それにしても、サーヴァントを失ったマスターが、それを模して自分がサーヴァントのように戦うようになる、というのは中々救いのない話だなと思います。それも、千年も。


中枢に入る寸前の、リンの泣きそうな笑顔が心に突き刺さって死にました。あの気丈なリンのあんな台詞、あんな顔を見て死なない人いますか?いません。

フロア全体に命の価値が著しく低い雰囲気が漂っていて、その無機質さに寒気がしました。


一層目からずっと、ちょくちょく助けてくれた2人が好きでしたし、月の裏側を思い出させるような2人の好敵手感を垣間見て嬉しく思いました。

 

何百年も戦い続け、何十年も状況を打開するものを待ち続けた二人。

ラニ=XIII、どうか安らかに。

 

 


七層目 / セイバー戦

大人レオに度肝を抜かれました。「黄昏の王政」はこれなのか…。ほんの少し低まった声と、凛とした美しい立ち姿に、既に少年でないことを感じ感無量でした。
extraでもcccでも見ることができなかった、成長したレオ。彼のその姿を見るためだけでも、このアニメを見る価値があると思います本当に…。

 

ガウェインはめちゃくちゃに顔がいいですね。横顔が国宝ですし目元の甘さがア~~罪作りだ。「白銀のセイバー」という呼び方もあまりにも素敵。
fgo六章のトラウマから、extra決戦時は不必要なほどレベリングして挑んだので、extra時空のガウェインが強いという印象がありませんでした。
しかし、いや、めちゃくちゃ強い…!聖剣ですもんね。しかも日中ですもんね。エクスカリバーに引けを取らぬぶっといビームの迫力たるや!
黄昏の中戦うレオとガウェインは、美しさと哀愁を讃えていて完全に最高でした。

一度下に落とされて、戻る術がありすの残した栞なのめちゃくちゃにエモいです。

 

ccc終盤のリンとラニのように、レオはその聡明さから、トワイスの言い分が最もであると理解できてしまった。
それを覆すのはいつだって、諦めの悪さだけが取り柄の「きしなみはくの」なんですね。

 

レオの「理想の王政」が折れるのは、レオが理想の王たれと望まれて生まれたことを考えると、事故の否定に直結していて悲しいですね。

 

レオの横顔は、幼さが削ぎ落とされて目つきも凛々しく、しかし芯が折れたことによる脆さも垣間見え、本当に美しいと思いました。作画が神だ。

 

 


熾天の檻 / チャクラ・ヴァルティン

女主とセイバーに対しトワイスが語る台詞は、extraの終盤に語られたものと同じで、ああこの世界は、あの世界から続いているのだなと改めて感じました。

トワイスが極東のバイオテロで落命したという情報既出ですか?!?!それ、ザビと同じじゃないですか。死にゆくトワイスの視線の先にいたあの子供、もしかしてザビ…?
extraのとき戦争を起こし人類をもう一度再起させようとしていたトワイスが、それを諦めいっそ人類を滅ぼそう、と変わってしまったことが悲しかった。果てしない労力をかけて実現を目指したことを諦めるのは、どんなに辛かっただろう。


レオが助けてくれるの激アツすぎませんか(語彙力)
自分は折れてしまったけれど、折れていない人の助けになることはできる。彼はやはり正義の人なのだなと感じました。しかし自分が再び立ち上がる訳ではない点に、彼の諦念を感じて寂しくなりました。


ふたたび現れたガウェインと、渾身の宝具。
cccでは、見せ場なくザビ達に後を託して退場してしまった彼らは、今回も最後を見届けることなく一足先に消えてしまった。
強キャラはその強さゆえに活躍の場が与えられないことがままあるけれど、今度は敵に大きな爪痕を残していってくれたことが、嬉しいです。
あなた達の力があったから、人類は未来を取り戻せたんだ。


ネロかわいくて、かわいい以外の表現がないです。表情くるくる変わる感じとか、愛嬌とか、そんでもって強いのとか、誇り高い感じとか、なのに寂しがり屋なところとか、あまりにもかわいい。


白野との約束をハクノが覚えていてくれて、ネロ嬉しかっただろうな。

薔薇の皇帝に喝采を!

 


終幕

extraリンの金髪が、青い空と生い茂った緑に映えて本当に美しかったです。
生命力に満ち溢れた彼女は、これからの人類の立て直しに尽力するのだろうし、コールドスリープから抜け出した白野と、きっとまたどこかで会うのでしょう。

 

 

元の時空よりも千年分の遠回りをしたこの世界線

 

彼女と彼が取り戻した世界が、栄え続きますように。

 

 

* * *

 

 


この作品は明言されない「一周目」を前提にされている分、ゲームに触れた/触れていないによって評価がもの凄く変わるだろうなあと思いました。そもそもの世界観や、一周目の流れを知らないと、相当戸惑うと思います。
実際、以前に予備知識なしで見たときは、訳分からなくてつまらなかったし。専門用語が多すぎるのよね。

あとは、尺的に仕方ないとはいえ戦闘シーンがかなりあっさりだったのが少し悲しかったですね。

 

 

extra、cccをやった後に見ると、キャラクター達の異なる面を見ることができたり、元の時空から少しずれたifの世界を楽しむことができたりと、とても面白かったです。extraの世界を、また少し広げてくれた作品だと思います。


シャフトの演出も、劇めいたネロの言動や、退廃的な世界観にとてもマッチしていて好きでした。個人的にはシンジのシャフ度が推せる。作画がめちゃくちゃに綺麗だし、ワダアルコ絵の反映度が凄まじい!

OPとEDもとても格好良くて素敵でした。毎回飛ばせずについ聴いてました。

 

 

Fate/extra last encore はかなり評価の分かれる作品のようですが、私は全話ともとても楽しく、時に感動しながら見ることができました。


皆さんも是非ご覧になってみてください。